おしらせ
「日本館トークイベント 日本館からつながる「循環」 ~文化、技術、そして未来へ~」の開催とアーカイブ動画公開のお知らせ
2025年9月23日(火・祝) EXPO メッセ「WASSE」南ホールで開催された「『科学漫画サバイバル』シリーズとコラボ!循環経済を楽しく学べる『サーキュラーエコノミー研究所』」 で、日本館トークイベント「日本館からつながる『循環』〜文化、技術、そして未来へ〜」を開催しました。
イベントのアーカイブを公開中。上記の画像をクリックしてご覧ください。
日本館のテーマである「いのちと、いのちの、あいだに」。
その根底にある「循環」の価値を知り、日本古来の「やわらかくつくる」ものづくりから現代の技術・文化・社会まで、様々な視点で持続可能な未来へのヒントを見つけることを趣旨として、日本館のコンセプトや展示に関わったゲストにお集まりいただきました。
基調講演では、京都大学の塩瀬隆之准教授より「日本館からみた“ていねい”な循環を考える」をテーマに、日本館の基本構想に込められた思いや日本に古くから根付くていねいな循環について語っていただきました。
続いて、神宮司庁広報室の音羽悟次長、株式会社カネカCO₂ Innovation Laboratoryの佐藤俊輔所長が「月刊日本館からコンニチハ」と題したショートプレゼンテーションに登壇。音羽悟次長からは「伊勢神宮の森と持続可能な地球環境」、佐藤俊輔所長からは「可能性を秘めた、CO₂が循環するプラスチック新産業」をテーマにお話しいただきました。
その後は、登壇者に加え、モデレーターとして株式会社ソトコトの指出一正編集長を迎え、株式会社日建設計の高橋秀通ダイレクター、内閣府官房審議官(経済財政運営担当)の浦上健一朗さんも交えたパネルディスカッションを実施しました。
「循環」についての4つの問いを通して、それぞれの立場から日本館全体に込められた「循環」についての思いやサーキュラーエコノミーとのつながり、未来社会のあり方などをお話しいただく濃密な時間となりました。
このパネルディスカッションでは、議論内容や提案を絵や図形などのグラフィックを用いてリアルタイムにまとめる手法、「グラフィックレコーディング」が実施され、ディスカッションの中から重要となる要素がビジュアル化されました。

最初の問い、「いのちと、いのちの、あいだには何がある?」では、日本館に構想段階から関わる指出さん、塩瀬さん、浦上さんを中心に日本館基本構想のエピソードまで遡り、それらのコンセプトを建築デザインとして表現した日建設計の高橋さんも交えて、日本館ができるまでを振り返りました。

「『式年遷宮』はサーキュラーエコノミーとどうつながっているの?」という問いかけでは、神宮司庁の音羽さんを中心に、式年遷宮とサーキュラーエコノミーの関係性、また式年遷宮がなぜ日本館へ展示されるに至ったかを語り合いました。

時代を区切りながら続く「つくりたいのはやわらかいもの?かたいもの?」という問いかけでは、日建設計の高橋さん、カネカの佐藤さんを中心に、日本館で紹介される「やわらかくつくる」ものづくりに着目。館内で展示もされている「心柱制振」や「生分解性プラスチック」を出発点に、主に現代の技術革新の視点で「循環」につながるものづくりのお話をいただきました。

締めくくりとなる「みらい」の問い、「『循環』する社会の未来って、むかしに戻るってこと?」という問いかけでは、未来へ向かって進む「循環」の考え方について、登壇者それぞれの専門的な視点から議論され、次世代へのメッセージと共に伝えられました。