Feature
ここにも? あそこにも? 漢字でわかる「水」の循環アニメーション
Index
海、川、雲、雨、氷……
自由自在に形を変えながら循環し、世界中に存在する水。地球の表面積のうち70%以上、人体のうち50%以上も含まれており、地球に欠かすことのできない存在です。
多様な意味や機能をあわせ持っているだけに、水にまつわる漢字も膨大です。『大漢和辞典』によると、水(みず)、氵(さんずい)の部首を持つ漢字は、なんと1800字超。言葉の世界においても、さまざまな場所に顔をのぞかせているのです。
そんな多様な水の循環を、アートディレクター、グラフィックデザイナーの岡本太玖斗さんがアニメーションで表現します。
姿形は自由自在
水 → 蒸(蒸気)→ 氷 → 水
water → steam → ice → water
─
温度が上がれば水蒸気となって空気中に霧散し、
温度が下がれば固体となって輝きを放ちます。
自然の中で、生活の中で、
自由自在に姿を変えながら、そこにある水。
循環し、地球を旅する
水 → 川 → 海 → 雲 → 雨 → 浸(浸透)→ 水
water → river → ocean → cloud → rain → soak → water
─
川が流れ、海へと辿り着く。
絶えず蒸発し続ける海水は、雲になって空に浮かぶ。
降り注いだ雨は地面に染み渡り、やがて川に還る。
地球規模で循環する水がなくなることはありません。
感情が流れ出る
水 → 涙 → 流 → 涙 → 水
water → tear → flow → tear → water
─
「氵」は水が流れる様子を表した部首。
涙も単なる水なのです。
人が泣けば、水分が体外に流れ出る。
涙と一緒に悲しみも喜びも一緒に流れ去る。
体外に流れ出た感情はどこへいく ?
古来から人々を魅了する
水 → 沸 → 湯 → 浴 → 水
water → boil → warm(water) → bath → water
─
「浴」はタライに溜めた水の様子を表します。
紀元前4000年にメソポタミアで生まれ、
今も人々を魅了し続ける風呂は
水から幸せを生む大発明なのです。
私たちの身体をつくる
水 → 汗 → 渴 → 潤 → 水
water → sweat → thirst → moist → water
─
汗をかけば喉が渇く。身体は水を欲する。
私たちの身体は、水を絶えず補充することで成り立っている。
「潤」という漢字は、門(家)の内に宝があふれる様子を表し、
転じて「(水気を含んで)うるおう」という意味を持ちました。
私たちにとって、水は宝なのです。
汚すのも、洗うのも
水 → 泥 → 洗 → 水
water → mud → wash → water
─
泥とは「水を多く含んだ土」のこと。
汚すときも、洗うときも、
どちらも水は力を発揮します。
無色透明な、プラスマイナスゼロの存在。
水が色を持つとき
水 → 濃 → 淡 → 滲 → 消 → 水
water → dark → light → blur → fade → water
─
紙の上に水を一滴垂らす。
染み渡った液体が姿を消し、周囲に散り広がる。
そこに立ち上がった輪郭がぼやけるまでの間、
無色透明な水は色を持つ。
やがて消えて無くなる儚い色。
アニメーション:岡本太玖斗