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Voices きかせて、日本館〈Part 1〉

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「循環」の原点が見えました/ゆーちゃんさん(26歳・観光業)
ちゃんと分別せなあかんな/まやさん(32歳・会社員)
藻類がもっと身近になる/スミスさん(39歳・美容師)
水を大事に、もっときれいに/Yくんさん(9歳・小学生)
あの水って、飲めるんかな?/タークンさん(84歳・社会保険労務士)
「循環」って、捨てるより気持ちいい/はるかさん(31歳・音楽家)
捨てるんじゃなくて、どう直すか/senkoさん(59歳・主婦)
関西弁も「循環」です/たくやさん(24歳・日本館アテンダント)
日本館ってどうだった ? なにか発見はあった ? 実際に来館した人たちに、どんなことを感じたのかを聞いてみました。日本館を楽しむヒントとしてはもちろん、身近にある循環に目を向けるきっかけにしてください。
「循環」の原点が見えました/ゆーちゃんさん(26歳・観光業)

日本館の好きな展示は?

ゆーちゃんさん
ごみと光が一緒に流れている展示が印象的でした。何が良かったかというと、言葉ではうまく表現できないんですけど、自分たちが出しているごみを、自分たちが普段使うものに変えていく。その原点が見えたところが良かったのかなと思います。
新しい発見や気づきはあった?

ゆーちゃんさん
3Dプリンターで作っていたスツールも、はじまりにはごみがあって。姿やかたちを変えながら作られているんだとわかって「おー ! 」って思いました。ごみからものへの一連のサイクルが理解できたので。あと、やわらかなギャラリーも。日本の文化やものづくりの技術は、誇れることなんだなと気づきました。
あなたにとって身近な「循環」とは?

ゆーちゃんさん
「振袖」ですね。母の振袖を、成人式で着たんです。それから、大学の卒業式でも着ました。もともとは、祖母が母のために買ったもの。それを、いまは自分が大事に着ています。人やもののつながりは大事にしていきたいし、未来にも残していきたいですね。
ちゃんと分別せなあかんな/まやさん(32歳・会社員)

日本館の好きな展示は?

まやさん
キティちゃんの展示です。かわいかったです。しかも、藻類にあんなにも種類があるとは思っていなかったですし、それぞれ役割が違うというのが意外でした。その場で説明文を読み切れなかったので、写真を撮りました。
新しい発見や気づきはあった?

まやさん
微生物のちからで、エネルギーや水が生み出されるなんて、全然知らなかったです。ごみからそんなにもエネルギーが生まれるのなら、ちゃんと分別せなあかんなって思いました。日本館に来る前は、リサイクルくらいのことしか知らなくて。水や熱などの要素になって、もう一度使えるようになるとは驚きました。
あなたにとって身近な「循環」とは?

まやさん
生ごみを土に還すために、プランターコンポストをやっています。結構、ふかふかの土に戻ってくれるんですよ。プランターでは、お花を植えたり、お野菜を植えたり。いまは夏野菜のトマトときゅうり、それにかぼちゃも育てています。コンポストにかぼちゃの種を入れていたら、芽が生えてきたんですよ。
藻類がもっと身近になる/スミスさん(39歳・美容師)

日本館の好きな展示は?

スミスさん
Factory Area全体です。日本の伝統技術は、これから先も生きていく技なんだと、すごく興味を惹かれました。特に気になったのは、サッカーボール。あんな発想、日本からじゃないと出てこないと思いました。
新しい発見や気づきはあった?

スミスさん
藻類がこんなにも活用できるものとは、想像もつきませんでした。ヌメヌメしているというイメージしかなかったので、たんぱく質などの生産効率が高くて、栄養バランスにも優れているなんて。すごく驚きました。すでに生活の中に藻類の製品があると思うんですけど、これからもっと身近な存在になってくると思うと楽しみですね。
あなたにとって身近な「循環」とは?

スミスさん
人の輪ですね。広がっていくこともあれば、少しずつ消えていくこともあって。ちょっとずつ、かたちを変えながらも、絶やさないようにしています。マイルールは相手からの誘いは断らないこと。人のつながりを大切にしようって、上司からも父親からも言われたんです。あ、同じことを言うんだって、びっくりしました。
水を大事に、もっときれいに/Yくんさん(9歳・小学生)

日本館の好きな展示は?

Yくんさん
キティちゃん。いろいろな藻類に扮しているところが、かわいかったから。一番好きだったのは、ワカメです。
新しい発見や気づきはあった?

Yくんさん
水滴が落ちてきて模様ができる展示で、水滴がキャンバスに落ちたとき、パーンって音が聞こえてきて。水滴が落ちる場所によって、聞こえてくる音が変わるのが楽しかった。和太鼓を習っているんですけど、その音にちょっと似ている気がしました。
あなたにとって身近な「循環」とは?

Yくんさん
水です。絶滅危惧種の講座を受けたことがあって、そこで海が汚れてしまったことでウミガメたちが悲しんでいるって知りました。水を大事にしていきたいし、きれいに使っていきたいし、もっときれいにしていきたいです。
あの水って、飲めるんかな?/タークンさん(84歳・社会保険労務士)

日本館の好きな展示は?

タークンさん
水盤の水は、きれいだったね。あれって飲めるんかな ? それくらいきれいだった。不思議やね。ごみからきれいな水に変わっていくなんて、今まで想像したことがなかった。
新しい発見や気づきはあった?

タークンさん
とにかく、ごみがきれいなものに変わっていくことに驚いた。汚いと思っていたものから、エネルギーが生まれて、藻類から製品が生まれて。そういう技術を日本館で見ることができたというのが、素晴らしい ! ほんまに感動しました。
あなたにとって身近な「循環」とは?

タークンさん
健康やね。私は、健康って食べものと運動と心の持ちようだと思うんです。悪いことをしたら悪いことが返ってくる。良いことをしたら良くなるからね。
「循環」って、捨てるより気持ちいい/はるかさん(31歳・音楽家)

日本館の好きな展示は?

はるかさん
水滴が落ちてきて、模様が描かれる珪藻土のキャンバス上の水のアートです。少しずつ消えていって、その瞬間にしか見られないというのが、はかなく美しくて。桜のような模様が素敵でした。また、音楽の仕事をしているので、水滴が落ちたときに、リズムよく音が鳴るのも面白かったです。
新しい発見や気づきはあった?

はるかさん
ごみが分解されるとき、水やエネルギーに変わるなんて、びっくりしました。住んでいる地域では、生ごみと燃えるごみを分別するというルールがあって。正直なところ、手間だなと。でも、こんなにいろいろなものに生まれ変わるなら、これからもきちんと分別し続けていこうと思いました。
あなたにとって身近な「循環」とは?

はるかさん
断捨離したいとき、フリマサイトに出品したり、地域内で必要としている人を探したりしています。捨てるよりも手間はかかるんですけど、必要としている人や次に大切に使ってくれる人がいるのであれば、そのほうが気持ちいいなと思って。ずっと循環していったらいいな、と言ったら大げさかもしれませんが、小さな循環ですね。
捨てるんじゃなくて、どう直すか/senkoさん(59歳・主婦)

日本館の好きな展示は?

senkoさん
全部良かったです。バイオガスプラントのところでは、実際に万博のごみを処理していて、こうやって再生しているということがわかったので。一番良かったのは、藻類の水槽。だって、その中で藻類が生きているわけじゃないですか。単純にすごいなって思いました。
新しい発見や気づきはあった?

senkoさん
藻類って、こんなに種類があるの ? と驚きました。まったく知らなかったので、キティちゃんの数の多さにびっくりしましたよ。ワカメも藻類なの ? って思うくらいだったので。しかも、たんぱく質の生産効率が大豆の何十倍とか…藻類ってすごいんですね。
あなたにとって身近な「循環」とは?

senkoさん
すぐに新しいものを購入するんじゃなくて、再生させることですかね。とくに、服は。破れてしまったら、捨てるんじゃなくて、どう直すか。そこから、また新しいものに生まれ変わるように考えています。親からの教えですね。服は何年も買わずに、リメイクしています。
関西弁も「循環」です/たくやさん(24歳・日本館アテンダント)

日本館の好きな展示は?

たくやさん
キティちゃんですね。展示の説明文と照らし合わせて、しっかり見てほしいです。たとえば、海ぶどうで有名なクビレヅタは、しっかりぶどう型の藻類に扮したキティちゃんになっていて。32種類、すべて藻類の特徴を表現できているので、すごく好きな展示です。
新しい発見や気づきはあった?

たくやさん
「ごみ」から「水」へ、「水」から「素材」へ、「素材」から「もの」へとつながっていく。それが発見でした。藻類がスツールの素材になっていますが、藻類を育てる水も、元はごみ。そのスツールもまたごみとなって生まれ変わっていくわけで。循環って、すごいですね。はじめて見たときは、現代のことではなく、もっと未来のことのように感じたほどでした。
あなたにとって身近な「循環」とは?

たくやさん
アテンダントをするために、関東から関西に引っ越してきて3、4ヶ月経つんですけど、少し関西弁がうつってきたような気がするんです。「方言」って、循環ですよね。その地域ならではの言葉を、何世代にもわたって受け継いできたものですし、時代によって少しずつ変化もしていると思うので。